避妊しなかった・避妊に失敗してしまったケースで、現在の妊娠を望まない場合に、緊急措置として可能になる避妊方法です。性行為から72時間以内に服用する黄体ホルモン剤で、妊娠を阻止する効果が期待できます。アフターピル、モーニングアフターと呼ばれることもあります。
できるだけ早く服用することで高い効果が期待できますので、すぐにご相談ください。服用タイミングや薬の種類によっても妊娠阻止率が異なりますが、一般的には72時間以内の服用で約70%以上の妊娠阻止率があるとされています。

当院では、副作用が少なく、避妊効果が高いレボノルゲストレル錠を処方しています。これは、2011年に日本で初めて承認されたアフターピル「ノルレボ錠」のジェネリック医薬品です。
ノルレボ錠は1錠を服用するタイプの緊急避妊薬で、WHO(世界保健機関)がエッセンシャルドラッグ(必須薬)として認定しており、日本で初めて承認された緊急避妊薬です。
ただし、緊急避妊薬は妊娠を阻止する薬であり、人工妊娠中絶薬ではありません。なお、人工妊娠中絶薬は日本では承認されておらず、販売もされていません。
ノルレボ錠は、服用する方が排卵前か後かなどの生理周期により、排卵を遅らせる・受精卵の着床を阻害する作用を起こして妊娠阻止効果が生じると考えられています。

排卵を遅らせる

ノルレボ錠を服用すると数日の間の排卵が抑制され、それによって受精の機会がなくなって妊娠を阻止します。

受精卵の子宮着床を妨げる

性行為後に排卵して受精卵となった場合も、ノルレボ錠を服用することで子宮内膜の増殖を防いで、受精卵の着床を阻害し、妊娠を阻止します。

ノルレボ錠の妊娠阻止率

妊娠阻止率は、排卵日付近の妊娠しやすい「危険日」に性交渉を行った場合の、妊娠を防ぐ確率です。
ノルレボ錠は緊急避妊薬ですが、服用したことで100%妊娠を回避できるものではありません。ノルレボ錠を服用した際の妊娠率は0.7%、妊娠阻止率は90.8%と報告※されています。※2016年8月のあすか製薬株式会社 ノルレボ錠 使用成績調査結果報告
ノルレボ錠は、10%程度は妊娠する可能性がありますが、高い妊娠阻止率があります。
ただし、緊急避妊薬は服用が早ければ早いほど高い効果を見込め、妊娠阻止率は性交後の時間経過とともに低下していきます。「もしかしたら」「どうしよう」と思ったら、すぐご連絡ください。
なお、緊急避妊薬は、予期しない避妊の失敗の際に用いるものであり、服用してからの性行為には避妊効果がありません。

性行為から3週間経過してから、妊娠検査薬で妊娠を確かめることをお勧めしています。市販の妊娠検査薬を使って頂いて構いません。
生理が予定よりも1週間以上遅れている、あるいは出血量が通常よりかなり軽いという場合には、ご来院ください。