低用量ピル(OC)とは
低用量ピルのOC(oral contraceptives)は、避妊のピルとしてよく知られていますが、排卵を抑え、生理をコントロールできることから月経困難症や子宮内膜症の治療、過多月経の方のつらい症状の軽減に役立っています。
避妊の低用量ピル(自費)をそのようなつらい症状の軽減という効果も期待して、使うこともあります。
現在は、月経困難症や子宮内膜症に対しての保険適用の超低用量ピルが主流になってきております。
さらに、生理周期を整える効果もありますので、スケジュール管理や体調の把握にも有効です。
当院では、ピルについて分かりやすくご説明し、リスクについてもしっかりお伝えした上で患者さんにあったピルを処方しております。お気軽にご相談ください。
また、今内服しているピルがどうも合わないという方もご相談ください。
低用量ピルをお勧めしたい方
- ひどい生理痛がある
- 生理周期が安定しない
- 生理前のイライラなどPMSで悩んでいる
- 生理の量が多い
- 生理周期でニキビができやすい
- 生理中に肌荒れしやすい
- 避妊したい
ピルの副作用
- 不正出血
- 吐き気
- 頭痛
- 胸の張り
- 倦怠感
- むくみ
など
服用開始時にはまれに不正出血や吐き気、むくみ、頭痛、胸も張りなどのマイナートラブルを起こすことがありますが、1~2か月で解消するケースが多く、長くても3か月以内に落ち着くことがほとんどを占めます。 最も多い不正出血では、色の付いたおりもの、生理の終わり程度の出血が続くことがあります。徐々に程度が軽くなっていくため、様子を観察して再診時にご相談ください。 頭痛は市販の鎮痛剤を服用しても構いません。吐き気止めの処方も可能です。
血栓症について
ピルを服用する場合、発症リスクがかなり低いのですが血栓症が起こる可能性がゼロではないことを理解する必要があります。血栓症は血管内に血の塊ができることで、脳卒中や心筋梗塞をはじめとする重大な疾患の原因になることがあります。
1万人がピルを服用した場合、血栓症を起こすのは約9人とされています。さらに死亡まで至るのは10万人に1人の確率です。確率がかなり低いことに加え、ほとんどの血栓症では予兆がありますので、リスクや初期症状について正確に知ることで早期の治療によって大事に至らずに済みます。
血栓症の初期症状
- ふくらはぎの痛み、むくみ、しびれ
- 鈍い胸の痛み、突然の息切れ
- 胸部の押しつぶされる・締め付けられるような痛み
- 激しい頭痛、めまい、失神
- 視野狭窄、目の前が暗くなる
- 舌のもつれ、うまく話せない
など
※ふくらはぎの症状は片側に起こることが多くなっていますが、両足に出ることもあります。
※もしこのような症状が出た場合は、飲むのをやめて、すぐに救急医療機関を受診してください。
血栓予防のために心掛けてほしいこと
- 禁煙
- こまめな水分補給
- 適度な運動と適正体重の維持
- 長時間同じ姿勢をとらない
4時間以上のフライト、長時間ドライブ、座りっぱなしで仕事・勉強・ゲームをするときは、その場で足踏みするなど下肢を動かす、十分な水分摂取、こまめに休憩して少しでも歩くかストレッチをするなどを心がけてください。
料金
低用量ピル | ラベルフィーユ | 2,860円 |
---|---|---|
ファボワール | 2,860円 |
※上記以外にも、保険適用のピルなど症状に応じて処方しております。
(ヤーズフレックス、フリウェル、ジェミーナなど)
将来の妊娠への影響
ピルの服用によって、その後の妊娠や出産、赤ちゃんへの影響はありません。妊娠を希望される場合には、ピルの服薬を中止することで、排卵が再開され、妊娠可能な状態になります。また、ピルをやめてから一定期間おいて妊娠を試みる必要もなく、ギリギリまで服用していても大丈夫です。
太ることもありません
ピルを服用すると太るから嫌だといわれることがありますが、世界中の様々な研究でも、ピルと体重増加の因果関係はないとされています。唯一可能性があるのは、女性ホルモンのバランスがコントロールされて保水力が高まり、水分が増えて太ったように感じられることです。脂肪ではありませんので、適切な水分摂取や運動などによって水分をコントロールできます。